たくさんの“つながり”が輝いた、川のごみ拾いイベント!
海のために、町で出来ることがある!
私たちは「海を大切にしたい」という想いで活動していますが、実は海ごみ(海や海岸にあるごみ)の6~8割が陸上から発生すると言われています。
そこで、陸上と海をつなぐ “川” のごみ拾いを企画しました。
当日の様子を、個人的に学生の頃から1人で続けてきたリバークリーンへの想いとともにお伝えします。
「ツイてたね♪」まさかの梅雨入り前日
ヒトが暮らす町を流れる川は、やがて、イルカ・クジラが暮らす海へ。
川は、森からの土の栄養や小さな生命、種、石、枝など、多くのものを海へと運びます。そうして恵みがめぐるのですが、その途中の町から、自然に分解されないごみも一緒に流れてゆく現実があるのです。
「海をきれいにするために川でごみ拾い!」
広い空の下、川は私の好きなフィールドです。
鳥のさえずり、風の響き、川の音。流れる水を見つめ、未来への祈りをそっと流す…。
川の流れに乗って海へゆくのは、ごみではなく、美しい地球につながる皆の想いでありますように。
青空も見えたイベント、なんと帰宅後に雨が降ってきました。フィールド活動は天候次第なので、心地好く活動できたことは、本当にありがたいこと。
奇跡的に、この翌日から梅雨入りとなったのです。「ツイてたね♪」と、喜びと安堵の声がありました。心から、空に感謝です。
私は日常の中で、空や太陽に「ありがとう」を贈ることが大好き。この時は普段以上に、感謝の気持ちを空に放たずにはいられませんでした。
なかよく、並んで
イベントの始まりは、クイズ大会!
川に暮らすイルカって、いると思いますか?実は、います!リバークリーンにちなみ、カワイルカのクイズも特別にご用意。楽しい雰囲気でごみ拾いへと進みました。
私は学生時代、この川で1人でごみを拾っていました。試験後やボランティア企画の成功後などは、自分で「〇〇記念のご褒美ごみ拾い」と称し、通常より特別感を持たせたりもして。友人を誘う時もありましたが、せいぜい数人程度でした。
それがこの日は同じ川で大人数が、なかよく並んでごみを拾っていて…。その光景を見て1人密かに涙が溢れそうでした。
ごみ拾い後は、皆で意見交換。仲間同士、心もなかよく並べて未来へつながる力を培っていました。
「最初はきれいな河川敷に見えたが、大量のごみが見つかり、一見ごみが無さそうな場所でも注視しなければと思った。」
「海とは違うごみや、町から川に流れていく現実も見れて、水のつながりの中で起きている問題を考えることができた。」
「他の人の話も聴けて、私自身も大好きなイルカやクジラ、海のために出来ることをもっと行動していきたいなと刺激を貰った。」
参加者の中には、この“みんなのちきゅう”webを見て参加してくれたという、行動力のある素晴らしい方も!
人のつながり、想いは紡がれていきますね。胸が熱くなりました。
がんがん進む子どもたち
張り切ってごみ拾いをしていたのは子どもたちです。「もっともっと拾いたい!」と、がんがん前へ。
集合時間が来ても「ねぇ、もう少しだけ良いでしょう?」「おねがーい!」と、おねだりまであり、子どもたちだけ拾う時間を少し延長。
初めて会った子同士でも、「ここにごみがあるよ!」と指差して教える男の子、上手にバランスを取りながらごみを拾う女の子、と役割分担が自然に生まれていました。
「ごみが見えない場所でも、“ごみがありそう”って気がして、見てみるとごみがある!それが楽しい」「ごみ拾いって、こんなに楽しいと思わなかった。またやりたい!」
これから先の未来を担う、今の時代の子どもたち。
その純粋な心に未来を築くチカラとなる種を蒔き続けたいと、私も想いがさらに強まりました。
リバークリーンのお土産
ごみ拾い中、トンビが飛ぶ姿を見て「トンビも見られるなんてすごい!」と多摩川の自然に喜ぶ人も。皆で空を見上げ、トンビが、「海と川は本当につながっている」と教えてくれた瞬間となったのでした。
小さな植物を見つけ、「何という名前かな」と頭を寄せ合い葉を愛でる人々も。フィールド活動は、様々な生命との出会いも醍醐味ですよね。
この日は、“ごみビンゴ”を行いました。拾う前に、落ちているごみを予想してmyビンゴカードを作成。そして拾ったごみを皆で共有し、ビンゴ大会。タバコ、食品関係のごみが多かったです。
このビンゴカードは、空き箱を再利用して作りました!私は家で、お土産でいただくお饅頭などの紙製空き箱を何年も前から「いつか何かに使えるだろう」と保管していました。それを今回、材料として使用。
ごみになる筈だった物を、ごみを減らすためのゲームに使う物に出来て、嬉しい限りです。
このカードは皆のお土産です。家でも、川のごみを思い出してもらえるように。そして、日常でごみを減らす意識を高めてもらえるように。
参加者の方々、心にもお土産があったようです。最後に感想をご紹介。
「普段あまり気にしなかったが、思ったより今日ごみがあったので、近くの河川敷もよく見てみたいと思った。」
「“この範囲で拾っただけなのに何袋もの量のごみが集まり、多摩川全体だったらどんな量なのだろうか?”と思った。」
「“海洋ごみ1億何万トン”という量を耳にするより、実際に拾ったごみを目の前にした方がはるかに危機感を感じ、この問題について改めて考えさせられた。」
川に身を置いて自然界の“つながり”に心を向け、人と人の“つながり”がより広がった1日。
これからも、“つながり”を大切に、明るい未来へつながる日々を織り合わせていきたいです。

SAGARA NAO
相良菜央
アイサーチ・ジャパン代表
幼い頃からイルカが大好き!「イルカたちのために、青く輝く地球を大切にする人でいたい」という想いを抱き、幼少期から、地球の明るい未来を願って“自分に出来ること”を模索し実行して来た。 アイサーチ・ジャパン3代目代表に就任し、イルカ・クジラと自然の素晴らしさ・大切さを伝える活動をしている(イベント会場・学校での環境学習教室やビーチクリーンの開催等)。