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「ネイチャーポジティブ」とは?自然と共に生きる未来への転換

Kenny
| 2025/08/05
ネイチャーポジティブとは、自然環境を守るだけでなく、回復・再生を目指す取り組み。生物多様性の損失を食い止め、自然との共生社会を築く新たな考え方です。

守るだけでなく「回復する」時代へ

地球温暖化や森林破壊、生物多様性の喪失など、現代の環境問題はかつてない深刻さを増しています。こうした背景のもと、近年注目を集めているのが「ネイチャーポジティブ(Nature Positive)」という新たな概念です。

ネイチャーポジティブとは、単に自然を保護・維持するのではなく、人間活動によって失われた自然を積極的に回復・再生させることを目的とした考え方です。自然の損失を「ゼロ」に抑えるだけでなく、「プラスの状態」へと導く。つまり、自然資本を増やしていくことを目指します。

この概念は、2021年のG7サミットや国連生物多様性会議(COP15)でも取り上げられ、2020年代以降のグローバル環境政策のキーワードとして急速に広まりつつあります。

(引用:IUCN日本委員会

ネイチャーポジティブが生まれた背景

これまでの環境保全の取り組みは、どちらかといえば「これ以上悪くしないこと」に重点が置かれてきました。しかし、それだけでは自然破壊のスピードに追いつかないという現実が明らかになってきています。

事実、国連の「生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」の報告によれば、地球上の動植物の約100万種が絶滅の危機にあるとされています。さらに、人間活動による自然の変化が、過去50年間でかつてないほど急速に進んでいることも指摘されています。

そのような中、「自然の喪失を止める」だけでは不十分であり、「自然を回復し、より良い状態に戻す」という前向きな目標が求められるようになったのです。これが、ネイチャーポジティブというアプローチが生まれた根本的な背景です。

実践されるネイチャーポジティブの取り組み

ネイチャーポジティブは、政府や企業、市民社会がそれぞれの立場から取り組める形で展開されています。以下は、実際の取り組み事例です。

森林再生と生態系の復元

破壊された森林の再植林、生態系回復のための野生動物の再導入、水辺環境の保全などは、典型的なネイチャーポジティブの事例です。たとえばコスタリカでは、かつての森林伐採を反転させ、国全体の森林率を回復させた成功例があります。

自然と共生する都市設計

「ネイチャーポジティブな都市」として、緑地や湿地、自然林を再生しながら開発を進める都市計画も増えています。欧州では都市における生物多様性ネットワークの整備が進み、日本でも「グリーンインフラ」という概念と連動した事例が登場しています。

サステナブルな農業・漁業

自然環境に配慮しながら生産性を保つ「アグロエコロジー」や「リジェネラティブ農業」、「責任ある漁業管理」などもネイチャーポジティブの一環です。生産と自然保全のバランスを取る取り組みとして注目されています。

企業による自然資本の可視化

一部の企業では、事業活動が自然資本に与える影響を数値化し、削減や回復目標を掲げるようになっています。製品ライフサイクル全体を通じて自然への影響を減らし、「自然と調和した経営」を目指す動きが加速しています。

(引用:環境省

 

私たちにできること

ネイチャーポジティブは、専門家や行政だけの課題ではありません。私たち一人ひとりができる行動が、このムーブメントを支える力になります。

日常の中でできること

  • 自然由来の素材や環境に配慮した製品を選ぶ

  • 食べ物を無駄にせず、地元産・旬の食材を選ぶことでフードマイレージを減らす

  • 公園や自然保護エリアに足を運び、自然の価値を再認識する

  • マイバッグ・マイボトルの活用やリサイクルの徹底

  • 生物多様性に関する情報を積極的に学び、共有する

これらは一見小さな行動に見えるかもしれませんが、集まれば大きな影響を持ちます。そして、「自然とともにある暮らし」を意識することが、ネイチャーポジティブの最初の一歩となるのです。

ネイチャーポジティブがもたらす未来

ネイチャーポジティブは、従来の「自然を守る」という消極的な発想から、「自然を再生し、より豊かにする」という前向きな目標への転換です。それは、破壊された環境を回復し、次世代により良い地球を残すための力強い指針となります。

環境問題の解決には、科学技術や制度改革だけでなく、自然に対する価値観の転換が必要です。ネイチャーポジティブは、その変化を象徴するキーワードとして、今後さらに重要性を増していくでしょう。

私たちは自然の一部であり、自然なしには生きられません。その原点に立ち返り、自然とともに再生しながら歩む社会を目指していくことこそが、真の持続可能な未来につながるのです。

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Webライター

名古屋市在住。 グルメメディアのライター/エディターとして活動するかたわら、環境問題にも取り組むITプロダクト会社に勤務。 持続可能なデジタル社会に興味を持ち、Web3分野を勉強中。

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