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「住み続けられるまちづくりを」SDGs第11項目を理解しよう

Kenny
| 2025/05/15
SDGs(持続可能な開発目標)。今回はその第11項目である「住み続けられるまちづくりを」について詳しく記載しました。

持続可能な開発目標(SDGs)の第11項目「住み続けられるまちづくりを」は、すべての人が安全で安心して暮らせる、持続可能な都市や居住地をつくることを目指しています。本記事では、都市や地域が抱える課題、各国の取り組み、日本の現状、そして私たちが日常生活の中でできることについて解説します。

世界の都市と住環境の現状

急速な都市化の影響

現在、世界人口の約半数以上が都市部で暮らしており、2050年には70%を超えると予測されています。急速な都市化により、スラムの拡大、住宅不足、交通渋滞、大気汚染などが深刻化しており、特に発展途上国では安全な住まいや基本的なインフラへのアクセスが十分に確保されていません。

都市に人が集中しすぎることで、土地価格や家賃が高騰し、低所得者が住む場所を失う事例も多く見られます。さらに、災害に弱い住環境や、行政サービスの不足など、都市生活には多くのリスクが潜んでいます。

日本の都市問題

日本では、都市部と地方の格差が深刻化しています。東京などの大都市圏には人口が集中し、一方で地方の過疎化、高齢化が進行しています。また、都市部では空き家問題や老朽化したインフラの更新が大きな課題となっています。

さらに、地震や台風など自然災害が多い日本では、防災対策や災害時の避難所整備など、都市の「強靭さ(レジリエンス)」が求められています。高齢者や障がい者にとっても暮らしやすいバリアフリーな街づくりが急務です。

主な課題

安価で安全な住宅の不足

多くの都市では、低所得層にとって適正価格で安全な住宅を見つけるのが困難です。特にスラムや簡易住宅に住む人々は、災害リスクが高く、基本的なライフラインも整っていないケースが多くあります。日本でも独居高齢者やシングルマザーなど、住まいに不安を抱える人々は少なくありません。

 

(引用:WFP世界食糧計画HP

公共交通の未整備

地方では交通手段が限られ、移動が困難な「交通弱者」が増加しています。一方、都市部では交通の過密や渋滞が問題となり、通勤・通学のストレスやCO2排出の増加を招いています。誰もが使いやすい公共交通の整備が求められています。

環境への負荷

都市化の進行に伴い、廃棄物の増加、大気汚染、ヒートアイランド現象などの環境問題が深刻化しています。都市は大量のエネルギーを消費し、地球温暖化の原因の一つにもなっています。環境と共生する都市設計が必要です。

災害への脆弱性

日本を含む多くの地域では、地震・洪水・台風などの自然災害への備えが十分でない地域があります。災害時の避難路や避難所、情報伝達の仕組みなど、レジリエントな都市設計が命を守るカギになります。

各国の取り組み

シンガポールの公共住宅政策

シンガポールでは、国民の約8割が政府が提供するHDB(住宅開発庁)による公共住宅に住んでおり、住宅価格の安定や地域コミュニティの形成に成功しています。住民の多様性にも配慮され、宗教や民族を越えて共存できる環境が整備されています。

バルセロナのスマートシティ戦略

スペインのバルセロナでは、ICT(情報通信技術)を活用したスマートシティ化が進んでいます。センサーを使った交通管理や、住民参加型の行政、エネルギー効率の高い建築など、持続可能な都市づくりのモデルケースとして注目されています。

日本のまちづくり施策

日本でも「コンパクトシティ構想」や「スマートシティ構想」などを通じて、住みやすく持続可能な都市開発が進められています。地域資源を活用した再開発、空き家の有効活用、防災拠点の整備などが各地で行われています。また、地方創生と都市機能の分散によるバランスの取れた成長も模索されています。

(引用:内閣府HP

私たちにできること

地域活動への参加

地域の清掃活動、防災訓練、町内会などの活動に参加することで、地域の課題に対する理解を深め、住みやすい街づくりに貢献することができます。顔の見える関係性は、災害時の助け合いにもつながります。

環境負荷の少ない暮らし

ごみの分別やリサイクル、エコバッグの使用、節電・節水など、日々の生活の中で環境への配慮を行うことが、持続可能な都市を支えることにつながります。特に都市部では一人ひとりの行動が大きな影響を及ぼします。

防災意識を高める

自宅の防災グッズの準備や避難場所の確認、地域のハザードマップの確認など、日頃から災害に備える意識を持つことが大切です。家族や地域で話し合っておくことで、いざという時に冷静な行動がとれます。

終わりに

「住み続けられるまちづくりを」という目標は、都市に住む人も、地方に住む人も、すべての人に関わる重要なテーマです。都市の未来は、行政や企業だけでなく、住民一人ひとりの行動と意識にかかっています。安全で快適、そして環境にも優しいまちづくりのために、私たち自身ができることから一歩ずつ始めてみましょう。

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| 2025/05/15
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Webライター

名古屋市在住。 グルメメディアのライター/エディターとして活動するかたわら、環境問題にも取り組むITプロダクト会社に勤務。 持続可能なデジタル社会に興味を持ち、Web3分野を勉強中。

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