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「つくる責任 つかう責任」SDGs第12項目を理解しよう

Kenny
| 2025/05/25
SDGs(持続可能な開発目標)。今回はその第12項目である「つくる責任 つかう責任」について詳しく記載しました。

持続可能な開発目標(SDGs)の第12項目「つくる責任 つかう責任」は、限りある資源を大切にしながら、生産者も消費者も環境と社会に配慮した選択を行うことを目指しています。本記事では、消費と生産の現状、世界や日本の課題、各国の取り組み、そして私たち一人ひとりにできることについて解説します。

 

生産と消費の現状

世界の過剰消費と廃棄の実態

世界中で私たちが消費している資源やエネルギーの量は年々増加しており、その結果、地球環境への負荷が急激に高まっています。たとえば、世界では年間13億トン以上の食料が廃棄されており、その一方で、十分な食べ物を得られない人々は8億人以上も存在します。

(引用:農林水産省公式Xアカウント

また、衣類や家電製品などの大量生産・大量消費のスタイルが定着し、使い捨て文化が広がる中で、廃棄物の処理やリサイクルが追いつかず、自然環境に深刻な影響を与えています。

日本の課題

日本でも、食品ロスは年間約500万トンを超え、家庭や飲食店での「まだ食べられるのに捨てられる食料」が大きな問題となっています。さらに、包装の過剰使用や家電製品の短い買い替えサイクルも、無駄な資源消費を引き起こしています。

生産現場では、人件費削減や効率重視のために、労働環境の悪化や海外への過剰な依存も見られます。消費者の選択が生産の在り方を左右する時代において、「つかう責任」には大きな意味があります。

主な課題

食品ロスの増加

世界で生産される食料の約3分の1が廃棄されている一方で、飢餓に苦しむ人々が多数存在します。保存方法の問題、賞味期限への過剰な反応、需要予測の失敗などが主な原因です。日本では特に家庭からの廃棄量が多く、意識改革が求められています。

過剰包装とプラスチックごみ

スーパーやコンビニで見られる過剰な包装、使い捨て容器、レジ袋などが大量のプラスチックごみを生み出し、海洋汚染や生態系への影響を引き起こしています。プラスチックごみの大半はリサイクルされず、焼却や埋立処分に回されているのが現状です。

生産現場の人権問題

ファストファッションや格安製品の裏側では、発展途上国の過酷な労働環境が問題になっています。低賃金・長時間労働・安全管理の不備など、倫理的に問題のある生産背景を持つ製品が市場にあふれています。

資源の枯渇と環境負荷

鉱物資源や森林、水などの自然資源は有限であり、今のような大量生産・大量消費を続ければ、将来世代が使える資源を奪ってしまいます。また、製造・流通過程で排出される温室効果ガスも、気候変動の一因となっています。

各国の取り組み

フランスの食品廃棄禁止法

フランスでは2016年に世界初となる「スーパーマーケットにおける食品廃棄禁止法」が制定され、売れ残りの食品を捨てることが禁止されました。代わりに、慈善団体などへの寄付を義務付けることで、食品ロスの削減と社会支援を同時に実現しています。

(引用:朝日新聞GLOBE +

ドイツのリサイクル政策

ドイツは「循環型社会」の先進国であり、ペットボトルや缶などにはデポジット制度(Pfand)を導入。使用後に返却することで、リサイクル率を大幅に向上させています。また、消費者教育にも力を入れており、環境意識の高い市民が多いのが特徴です。

日本のエコタウン事業

日本では1990年代から「エコタウン」構想が進められ、地域ごとにリサイクル施設や環境配慮型の工場などを集約。産業廃棄物の資源化や再利用を推進し、環境負荷の少ない地域づくりが進められています。近年では企業や自治体によるゼロエミッション戦略も注目されています。

私たちにできること

食べ物を無駄にしない

冷蔵庫の中身を把握して買いすぎを防ぐ、消費期限と賞味期限の違いを理解する、食べきれる量を作る・注文するなど、日々の工夫で食品ロスを減らすことができます。コンポストやフードシェアリングの活用も効果的です。

エシカル消費を意識する

「誰が、どんな環境でつくった商品なのか」を考えて選ぶ「エシカル消費」は、持続可能な社会の実現に向けた消費行動です。フェアトレード商品や環境に配慮した商品、地元のものを選ぶこともその一環です。

リサイクル・再利用を習慣にする

使い捨てを避け、再利用可能なアイテムを選ぶこと、分別をきちんと行ってリサイクル率を上げることは、限られた資源を大切に使う上でとても重要です。リユースショップやフリマアプリの活用も有効です。

ものを長く使う

流行に流されず、本当に必要なものを選び、丁寧にメンテナンスしながら長く使うことは、「つくる責任」を支える行動です。修理・再利用の文化を見直すことが、持続可能な消費への第一歩です。

終わりに

「つくる責任 つかう責任」は、私たちの日常生活すべてに関わる目標です。生産者は持続可能な方法でモノをつくり、消費者はそれを無駄にせず、責任ある選択をする。この両者の意識と行動の変化が、地球規模の環境保全と社会的公正に直結しています。今日から私たちにできる小さなアクションを積み重ね、より良い未来を共につくっていきましょう。

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Webライター

名古屋市在住。 グルメメディアのライター/エディターとして活動するかたわら、環境問題にも取り組むITプロダクト会社に勤務。 持続可能なデジタル社会に興味を持ち、Web3分野を勉強中。

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