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「陸の豊かさも守ろう」SDGs第15項目を理解しよう

Kenny
| 2025/06/25
SDGs(持続可能な開発目標)。今回はその第15項目である「陸の豊かさも守ろう」について詳しく記載しました。

持続可能な開発目標(SDGs)の第15項目「陸の豊かさも守ろう」は、森林・湿地・乾燥地・山岳などの陸域生態系を守り、回復し、持続可能な利用を推進することを目的としています。人間は大地から食料・水・資源を得て暮らしていますが、その恩恵を受ける一方で、森林伐採や土地の劣化、生物多様性の損失といった深刻な問題を引き起こしています。

本記事では、陸の自然環境の現状、主な課題、各国や日本の取り組み、そして私たちができるアクションについて解説します。

 

陸域生態系の現状

地球の陸地には、森林、草原、湿地、農地など多様な生態系が広がっており、それぞれが多くの動植物の生息地として機能しています。人間社会にとっても、これらの自然は水の浄化や土壌の保全、気候の安定、木材や薬用植物などの資源供給といった「生態系サービス」を提供しています。

しかし今、世界の森林は1分間にサッカー場約27面分もの面積で失われているとされており、多くの野生動物が絶滅の危機に瀕しています。生物多様性の急速な損失は、人類自身の生存基盤をも脅かす深刻な事態です。

(引用:平成23年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

 

主な課題

森林破壊と違法伐採

世界の森林面積は減少を続けており、その主な原因は農地拡大や違法伐採です。特にアマゾンや東南アジア、アフリカの熱帯雨林では、農作物の生産や木材の商業利用を目的とした森林伐採が進行中です。森林は地球温暖化の抑制にも重要な役割を果たすため、その喪失は気候変動にも直結します。

砂漠化と土地劣化

乾燥地帯を中心に、過剰な農業、放牧、森林伐採、気候変動などの影響で土地が劣化し、砂漠化が進んでいます。土地が劣化すると作物が育たなくなり、食料不安や貧困の拡大、人の移動(気候難民)といった社会的問題につながります。

絶滅危惧種の増加

IUCN(国際自然保護連合)によると、現在絶滅の危機にある野生生物は42,000種を超えています。生息地の破壊、気候変動、外来種の侵入、密猟などが原因です。人間が経済的利益を優先して自然環境を破壊することで、生物多様性は急速に失われています。

生態系のつながりの喪失

道路や農地開発などにより、かつてつながっていた森や湿地が分断され、多くの動物が移動できなくなっています。これにより、繁殖や採餌が困難になり、生物の個体数や遺伝的多様性が減少しています。

(引用:環境省HP

 

各国と日本の取り組み

コスタリカの森林再生

かつて森林破壊が深刻だったコスタリカは、「エコツーリズム」と「環境税」の導入により、森林面積を回復させることに成功しています。伐採を抑え、再植林を進めると同時に、自然を観光資源として活用することで、経済と環境の両立を実現しました。

アフリカの「グレート・グリーン・ウォール」

サハラ砂漠の南端を横断するように植林を進める「グレート・グリーン・ウォール」構想は、乾燥地の緑化を目指した巨大な環境プロジェクトです。複数の国が連携し、気候変動対策と同時に農村振興も図る取り組みとして注目されています。

日本の里山保全

日本では古くから「里山」と呼ばれる人の手が入った自然環境が存在し、多様な生き物が共生しています。しかし近年では、農村の過疎化や高齢化により、里山の維持が難しくなっています。全国各地で市民団体や自治体が協力し、里山の保全活動や自然教育に取り組んでいます。

私たちにできること

木材や紙の使い方を見直す

紙製品や木材を使用する際は、持続可能な森林管理に基づいた「FSC認証」や「PEFC認証」があるものを選びましょう。使い捨ての紙の使用を控え、リサイクル製品を活用することも、森林保全につながります。

生物多様性に配慮した買い物をする

希少な動植物を原料とした製品や、密猟の温床になり得る商品を避けることは、間接的に生物を守る行動になります。例えば、一部の観賞魚や薬草、皮革製品などの選択に注意を払いましょう。

緑を増やす活動に参加する

植樹活動や地域の緑地保全活動に参加することも、陸の豊かさを守るための大きな一歩です。学校や企業での植林ボランティア、家庭でのガーデニングやベランダ緑化も有効です。

自然に触れ、関心を持つ

自然公園や森を訪れ、生物の多様さや自然の美しさを感じることで、環境への理解と愛着が深まります。写真を撮ったり、家族と話したり、SNSで発信することも、周囲に関心を広げる一歩になります。

終わりに

「陸の豊かさを守ろう」という目標は、私たちが生きる土台そのものを守ることです。森林や生物の多様性、土壌の健全性は、人類の未来と直結しています。遠い問題のように感じるかもしれませんが、日々の選択や行動が地球環境に影響を与えています。まずはできることから始め、自然と共に生きる持続可能な社会を目指していきましょう。

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Webライター

名古屋市在住。 グルメメディアのライター/エディターとして活動するかたわら、環境問題にも取り組むITプロダクト会社に勤務。 持続可能なデジタル社会に興味を持ち、Web3分野を勉強中。

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