持続可能な開発目標(SDGs)の第2項目「飢餓をゼロに」は、世界中で重要視される課題です。この記事では、飢餓の現状、原因、各国の対策、そして私たちにできることについて解説します。
SDGs第1項目「貧困をなくそう」との違い
SDGs第一項目「貧困をなくそう」と第二項目「飢餓をゼロに」は密接に関連していますが、焦点が異なります。
貧困は、基本的な生活に必要な物資やサービスが欠乏している状態を指します。これには食料だけでなく、住居、医療、教育、清潔な水などが含まれます。一方、飢餓は特に食べ物が足りない状態を指し、栄養が十分に摂取できないことを意味します。貧困は広範囲な生活の質に影響を及ぼす一方、飢餓は健康と生存に直接的な影響を与えるため、より具体的で緊急性の高い問題です。
世界の飢餓事情
飢餓の定義と現状
飢餓とは、基本的な食べ物が足りない状態のことを指します。世界には約8億2千万人が飢餓に苦しんでいて、特にサハラ以南のアフリカや南アジアで深刻な問題になっており、これらの地域では、食べ物が足りなくて多くの人が健康を害しています。
飢餓の影響
飢餓は健康だけではなくて、教育や経済にも大きな影響を与えます。栄養不足の子どもたちは成長が遅れたり、学習能力が低下したりします。また、働く力が低下するため、貧困から抜け出すのが難しくなります。
例えば、イエメンでは内戦が続いていて、食料供給が途絶えがちです。多くの子どもが栄養失調に苦しみ、生きるための基本的な食べ物すら手に入らない状況です。国際的な支援が必要不可欠な状況が続いています。
飢餓の原因
気候変動
気候変動は農業生産に大きな影響を与えます。異常気象や干ばつ、洪水などが頻発し、農作物の収穫が不安定になることで、食料供給が減少し、価格が高騰します。
紛争と政治的不安定
戦争や政治の混乱も飢餓の大きな原因です。戦争が起こると、農地が荒れ、食料供給チェーンが破壊されます。また、避難民が増加し、食料の需要が高まる一方で供給が追いつかない状態になります。
経済的不平等
貧困と経済的不平等も飢餓の原因の1つ。貧しい人々は食べ物を買うお金がなくて、栄養のある食事を取ることができません。この問題は、特に発展途上国で深刻です。
食料廃棄
食料廃棄も飢餓の原因の1つ。世界では毎年大量の食べ物が捨てられていて、この食べ物を有効活用することで多くの人々を救うことができるんです。食べ物の無駄を減らすことが、飢餓解決の一歩になります。
各国で行われている飢餓対策
ブラジルのファミリー・バスケットプログラム
ブラジルでは、貧困家庭に食べ物や生活必需品を提供する「ファミリー・バスケットプログラム」が実施されています。このプログラムは、特に子どもたちの栄養状態を改善することを目的としています。
(引用:ミッションニュースワイヤーHP)
インドのミッドデイ・ミール・プログラム
インドでは、「ミッドデイ・ミール・プログラム」として、学校で子どもたちに無料の昼食を提供するプログラムが実施されています。これにより、子どもたちの栄養状態を改善するとともに、学校への出席率も向上しています。
日本のフードバンク
日本でも、フードバンク活動が広がっています。フードバンクは、企業や個人から提供された食品を必要としている人々に配布する活動を行っています。これにより、食べ物の無駄を減らしつつ、飢餓の問題に対処しています。