清掃活動の魅力とは? vol.02|問題を解決する楽しさを知る
今回は、清掃活動と私の習慣の因果関係についてお話していきたいと思います。
なぜ長期に渡り、清掃活動を継続出来たのか?どのようにして継続し生活をしてきたのか?
と質問されることが多々あります。実はたくさんの壁にぶつかりながら、継続してきました。
※ビーチの近くの草むらから出てきたガスボンベ
清掃活動を行う上での壁
今でもよく壁にぶつかります。
作業中は、清掃活動にて集めたごみの処理、問い合わせ先のわからないごみの種類など…。
心の葛藤も多々あります…。
不法投棄のごみを目の前にした気持ち
ポイ捨てを目の前で行っている人がいたとき
マナーが無さすぎる出来事
※清掃した翌朝ビーチで発見した、焚き火を行った跡
私はこの壁(問題)を解決する方法を探す工程で、自分自身の新たな好奇心(知らなかった事)に出会ってきました。
例えば、清掃活動にて集めたごみの回収処理を、スムーズな対応が出来ない地域では、回収が遅れ、ビーチ脇に集めたごみに新たなごみが捨てられ「自然のごみ捨て場」現象が起こります。
※ビーチクリーンのごみ回収依頼期間中に発見した、知らない人が捨てていったタイヤやバッテリーなどの新たなごみ
ビーチクリーン後は、ごみ処理速度と自治体等との連絡網を明確にしなくてはいけません。
自分で処理できたら理想だな!との思いで軽トラックを購入しましたが、塩害によるサビや管理費用など、想定外の出費と労力に苦戦する状況が続きました。
しかし、同時にこの問題が、私を正しい方向に引っぱってくれていると感じています。
必要な経費を作る為に、惰性に成りがちだった仕事への熱意も変わりました。
創造力と工夫を忍耐力を持って向き合うようになり、仕事の結果も変わり出しました。
想像力と工夫と向き合い続けると、たまにですが素敵な発想に出会えます。
私はこの繰り返しで仕事の結果が変わり、想定外の出費をカバーできるようになりました。
だからと言って油断は禁物!現在も奮起中です!
目の前に現れる問題には、何か意味があるのかもしれませんね!
ちなみに写真に写っているさびた鉄は、漂着ごみで流れ着いた時は、警察や海上保安庁が出動する事態になりました。
爆弾?ミサイル?との噂が流れ、地域の方々は避難。
調査した結果、カリフォルニアから流れ着いた海に浮かぶブイ(浮き)であることがわかりました。
処分に困った自治体の要請にて、現在はうふた浜に残しています。
そしてなんと現在は、インスタ映えスポットとして、たくさんの方が撮影するスポットになりました!
このような解決がある場合もありますが…大自然と向き合うのは大変なことです。
行き詰まる状況になったときは
私がいつも思う知恵の源があります。
竹と言う植物があります。竹には節がたくさんあり、上へ上へと伸びていきます。
※綺麗な竹林
「竹は節があるから、真直ぐに太陽に向かって伸びるんだよ!節の数だけ、向きを修正し、太陽を目指しているんだからね。だから真直ぐ伸びる!竹の節は、人間の人生に例えれば、問題、行き詰まりを表しているんだよ。」
「間違った方向を向いた時に、問題が起こり正しい方向を模索し修正する。人の人生は、竹の様なものだね!」と母からのアドバイス。
また、問題への解決策が見つかった時には「破竹の勢いになるよ!」
「竹を縦に割く時にナタで切り目を入れ引き裂くんだけど、中々割けないんだよね。でもね、1つ目の節が割けた瞬間。もの凄い勢いで次の節、次の節と一気に割け、割けるのを止められないだよね。そんな風に、問題には必ず解決策があると確信して模索することが大切なんだよ!」と、私は、よく壁にぶつかる環境下に居た為、この母の言葉が心に刺さり、心の指針にしています。
問題は必ず解決出来る!目の前の問題を解決した瞬間、次の他の問題も解決出来るとの思いで、日々戦っています!
そんな問題だらけの私ですが、最近は知人からよく悩み相談を受けます。
同情と同苦の違い
私は相談を聞く姿勢として、悩んでいる知人を、いたわる心で接する同情の姿勢ではなく、知人と同じ立場に立ち一緒に悩みを解決する、一緒に努力する、同苦の姿勢で相談を受けています。
私にも暗い過去があり、当時の弱い私は絶望としか思えなかった時期があります。
そんな時に「あなたが経験する苦難は、同じ様な状況で苦しんでいる人を救う為に訪れた試練だよ!手本にならなきゃね!」と言われた事があります。
心の弱い私には強く刺さる一言でした。
弱い心の私は、人の目、人の言葉、都合の悪い環境、全てが恐怖でしかありませんでした。
しかし、この言葉とビーチクリーン活動での問題が重なり、「強くなりたい」「問題を解決したい!」と日々思うようになりました。
清掃活動を通して出会った問題。その問題を解決したい思い。
この繰り返しが、いつの日か気がつけば、解決出来ない問題はない!と思えるまでになりました。
※女の子が全力でロープを回収する様子
逆境を楽しむ
目の前の問題を解決するには、強い決意が必要です。でも、強い決意なんて、なかなか出来ません。
そんな時は違う視点で考えています。
この問題は後世に残す課題か?
困っている皆の為に何か出来ないか?
この問題を楽しく乗り越えるには?など
そう考えながら解決策を調べると、案外周りにも同じ悩みを持った方がいます。
私は同じ悩みを持った方達と一緒に同苦し解決する方法を模索する工程で、自分自身の問題を解決してきました。
自分の問題は誰しも怖さがありますが、他の人の事に成れば恐怖は軽減され考え解決する知恵が沸きます。
私は、このように問題、悩みを解決し、今も新たな問題と戦っています。
そんな時に感じるのが“自業自得”という言葉です。
悪い意味で使用されやすい言葉ですが、本来は「自分で行った事は自分に返って来る」という意味。
良い振舞は、良い事が返ってくる
悪い振舞は、悪い事が返ってくる
人の為に人は動く力があります!
「ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨かれない様に人は人でしか磨かれない」のです。
清掃活動を通じて知り合う皆さんとともに問題や悩みを乗り越え、また、私を鍛え磨いてもらい感謝です。
ごみを目の前に諦めかけた時も、「今、自分はマナーの悪い人間に試されている!」との思いで必死にごみを処理してきました。
私は清掃活動を通して自身の生き方を学びました。
そして今、全世界にて、持続可能な開発目標=SDGs(Sustainable Development Goals)
2015年9月25日国連総会にて採択された持続可能な開発のための17の国際目標を
2030年までに目標達成する基準が示されました。
目標が明確になったことで、企業や個人の関心も高まり、今出来る事!を胸にたくさんの方々が1つの目標に向かって努力されています。
私も、その1人として「誰にでも出来る事を、誰にも負けない」との思いで奮起していますが、今年で50歳に。
若さに憧れる年齢になりましたが、同じ目標を目指している仲間の存在が、私を強くしてくれています。
私は、素敵な出会いのある、清掃活動に出会えて感謝しかありません。
皆さんも悩み事や問題を目の前にした時は、忍耐と工夫にて立ち向かって欲しいと思います。
このコラムを通し、1人でも多くの方が誰かの為に活躍することを夢みています。
次回のコラムでは「清掃活動を通して持てた目標」についてお話させていただきます。
KAITO SASHIKATA
指方 海斗
ビーチクリーン事務局 代表
福岡県生まれ。趣味はマリンスポーツ。 昭和63年より清掃活動を展開し、地域活性を模索する日々です. 大きな経歴はありませんが「継続は力なり」を信じて日々前進しています。 「一人の人間が水路を堀り、千人の人が利用する。水路を掘る一人に成る」との決意で活動しています。 30数年利用されていなかったビーチ「うふた浜」を清掃活動と植樹にて復活させ、5月30日「ごみ0の日」の清掃完了、地域活性イベントとして毎年6月に「うふた祭り」を開催しています