清掃活動から生まれた夢 vol.04|夢を持つ素晴らしさ
今回は、清掃活動を通して感じた地域の問題。
地域の方々から伺った地域への思いが、いつの日か私の夢となり、日々私を後押ししてくれる原動力となっている思いについてお話させていただきます。
「なぜそこまで頑張れるのか?」との質問され、私も知らなかった私に出会わせたくれた「みんなのちきゅう」に感謝です。自身の活動を、私はここまで振り返った事がありませんでした。
コラムを書きながら気がついた私でもあります。
※2023年8月 台風6号による漂着ごみとガレキ
しがらみの渦
ビーチに人力で動かないようなごみに出会う事があります。
絡まった大きなロープの塊
巨大な流木、大量の海藻類
大型車両のタイヤや家電製品
不明なパイプなど…。
ノコギリ、カッター、ハサミなどを利用し、人が持てるように分解して運搬作業したり、絡まった大きなロープの塊は数日かかる事も少なくありません。
そんな作業中に頭によぎることがあります。
「あの人が居たらな~。」
「一緒にやればもっと良い結果だせるな~。」
「あの頃懐かしいな~。」など
普段の生活の中で感情の起伏や誤解、考えの行き違いで絡まった人間関係。
そんな人間関係が心を締め付け、時には不安に、時には寂しくなります。
どうにかしたい過去だと考えています。
そんな私に、綺麗なビーチを見た方は「凄いね」「尊敬する」と声を掛けて下さいます。
褒められ有頂天になる私と、寂しさから苦しむ複雑な私がいます。
過去のしがらみに、揺らぐ心だと考えています。
※海の波に揉まれ複雑に絡みながら、新たなごみを取り込み巨大化したロープのごみ
有頂天になる私は
足元すら見ることを忘れ、大きなことを言い褒められる事に酔いしれ、本来の思いとかけ離れた思いを抱き、いつの日か違う心で言動していました。
行き詰まって気がつくことも多々あります。
「優しい言葉に冷たい心、冷たい言葉に優しい心」
「同じ言動でも思いが違えば結果が変わる」
褒められ、気が付けば惰性で日々を過ごす事も少なくはなかったと感じています。心の弱さだなーと感じています。
日々の生活で自分に厳しく、おごらない。謙虚な姿勢と初心を忘れず、1人ひとりと接する決意をし、努力しています。
「過去の積み重ねが今の私」
「日々の積み重ねが未来の自分を作る」
と、何回も何回も自分自身に鞭を打ちながら奮闘し、今は「綺麗な町 本部町」という思いで日々清掃活動に取り組める自分になりました。
※沖縄県国頭郡本部町の垣の内ビーチ。豊かな自然あふれる本部町の様子
苦しむ私は
心の中のしがらみを1つ1つ解決したいと思いながら生きています。
1番頭に浮かぶのは、絡まった人間関係です。
頑張れば頑張るほどに、離れた仲間を思うと、寂しさや思い出に浸ることが多々あります。
ビーチクリーン活動中、暑さキツさに負けそうなとき「一緒に頑張っている皆も辛い、自分だけが手を抜くわけにはいかない!皆一緒なんだから!」とよく思います。
そんな思いを人間関係に照らすと、人間関係も一緒かな~なんて考えていました。
仲間と共にビーチクリーン活動で苦難を乗り越えれば乗り越えるほど、相手のことを思い、体調を心配し、安全、無事故第一との思いになります。
そんな思いでビーチクリーン活動をしていると「相手も寂しいのでは?」から、「寂しいはず!」「私と同じ思いのはず!」と気持ちが変化していく瞬間があります。
私の、弱さから連絡が出来ないことも多々ありますが、次に「寂しいはず!」「私と同じ思いのはず!」と思ったら、すぐに電話するぞ!とビーチクリーン活動に自身の願いをかけて活動しています。
ひもとく
本年、その思いで、連絡した1人と絡まった人間関係が紐解け、1つ夢が叶い、6月25日に「うふた祭」にて再会できました。
※手を上げている女の子は、私を信じ10年間共に清掃や地域活性に尽力してくれた歌手・マンナユウナさん。素敵な笑顔です。
私たちを温かく見守る仲間からは、笑顔や涙が溢れていました。
そして、別の場所でも別の仲間の夢が叶い、幸福の連鎖反応が巻き起こるのを目の当たりにし、
私自身ビックリしたと同時に、一気に夢が叶い少し不安にもなりました。
人間関係も環境問題も、行動を起こさなければ解決方向へは向かえません。
私はビーチクリーン活動を通して多くのことを学んでいる最中です。
環境問題最大の難題との思いで取り組んでいる、ゴミ処理問題。
ここにも小さな光が差し込み、廃タイヤ、建築廃材、流木などの処理方法が見えだしました。
特に流木は再利用を願う天然ごみです。チップ→発酵→肥料→野菜を育てる。
そんなことが出来たら理想だなと考えていますが、現実はサイズ、太さが大きすぎて処理してもらえません。
建築廃材は防腐剤、殺虫剤などが散布されている可能性があり肥料にはなりません。タイヤもゴムと内部には金属ワイヤーで、再利用が難しい。
そこに、建築業界からセメントやアスファルトの製造工程にて利用可能と吉報がきました。
解体会社と連携を取り、海ごみ、町ごみと産業廃棄物を纏めれば、再利用可能な資源に切り替わる。ごみをごみとして扱うことから一歩前進した活動へ切り替えていきます!
私の夢
そんな私が今1番求めてやまない夢は、本部町の地域活性化です!
私自身が行うのではなく、行う若者達を支える活動を目指しています!
昔は自分で行うつもりでしたが、年を取りすぎました(笑)。
私は私の経験を若者達へ繋ぎ、地域が発展する新しい形が常に発案され、前進して行く町「本部町」にしていきたいと考えています。
次回コラムでは、「ごみが繋いでくれた絆」についてお話させていただきます。
KAITO SASHIKATA
指方 海斗
ビーチクリーン事務局 代表
福岡県生まれ。趣味はマリンスポーツ。 昭和63年より清掃活動を展開し、地域活性を模索する日々です. 大きな経歴はありませんが「継続は力なり」を信じて日々前進しています。 「一人の人間が水路を堀り、千人の人が利用する。水路を掘る一人に成る」との決意で活動しています。 30数年利用されていなかったビーチ「うふた浜」を清掃活動と植樹にて復活させ、5月30日「ごみ0の日」の清掃完了、地域活性イベントとして毎年6月に「うふた祭り」を開催しています