知ってるようで知らない海のこと vol.2|サンゴについて知る〜初心者編〜
僕の仕事場であり遊び場でもある、美しい宮古島の海。
そこでは、たくさんの海の生き物とサンゴ礁が生息し海中を彩っています。
今回は、知っているようで知らない「サンゴ」についてのお話をします。
そもそも「サンゴ」とは?
「名前は聞いたことあるけど、どういうモノかまでは知らない…。」
「沖縄の海に生えてる硬い植物?」
「おばあちゃん家に行ったら飾ってあった!」
など、サンゴの存在は知っているけどよく分からないって人の方が多いんじゃないでしょうか。
これからサンゴについて紐解いていくのですが、その前に、僕からひとつ質問です。
Q.サンゴは…動物?植物?それ以外?
どれなのか分かりますか?正解は…。
正解は…動物です!
実はサンゴは植物や岩のように見えるかも知れませんが実は動物なんです。
詳しく説明すると、サンゴはクラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物というジャンルに属します。
海底でじっとしているように見えて、実は細かい触手(ポリプ)があり、それを使って獲物を捕らえ捕食するので動物の中でも肉食動物にあたるのです。
ちなみにサンゴ礁は地球規模で見ると地球表面のわずか0.1%だけ。沖縄の海がどれだけ貴重かが分かります。(引用:水産庁-褐虫藻 刺胞 サンゴ礁)
サンゴ礁からの恵み
数々のサンゴが集まってできた”サンゴ礁”。
そんな0.1%しかない存在が海底世界にとって、地球にとって非常に重要な存在でもあるのです。
ここまではサンゴが何者なのかについて語ってきましたが、ここからはそんなサンゴ礁がもたらす主な3つの恩恵をご紹介します。
①光合成を行い海への酸素供給
先述の通り、サンゴは動物です。ですが植物と同じように太陽の光を利用し、酸素を発生させる光合成も行います。
水産庁によるとサンゴが作り出す酸素の量はなんと木の6〜16倍と言われてます(引用:水産庁-サンゴの特性と機能と現状)。動物なのに光合成?と疑問に思われた方が多いと思いますが、その疑問はとても正しいです。
この件については、またの機会に詳しくお話ししますね。
②生き物たちの住処であり産卵地
サンゴ礁でできた複雑な構造は小魚たちの隠れ家や住処であると同時に、卵の隠し場所すなわち産卵地にもなります。
僕が案内している宮古島のサンゴ礁ではイカなんかも産卵します。
③生き物たちへの食事提供
サンゴの表面には粘膜があります。
剥がれ落ちたその粘膜は海を漂い、途中で網のように微生物を引っ掛けた後、小さな生き物がそれを食べる。
サンゴは食物連鎖の縁の下の力持ちであり、生態系の維持にも貢献しているんです。
海に必要不可欠な存在“サンゴ”
いかがでしたか?記事を読んで、サンゴのことが少し分かってきたのではないでしょうか?
このようにサンゴは海の生態系の支えていて、魚たちだけでなく私たち人間にとっても重要な存在なのです。
そして現在、サンゴが減少しているという問題も存在しているのです。
サンゴに迫る環境問題、そして今回書けなかったサンゴのお話についてはまた次回お話できたらと思います。
次回のコラムもお楽しみに。

WALLY
マリンガイド&水中写真家 ウォーリー
シュノーケルショップ「ぷくぷく宮古島」 代表
宮古島に移住して7年、現在はシュノーケルショップ「ぷくぷく宮古島」を設立し海に優しいツアーをモットーにガイドをしています。 海洋系の専門学校を卒業し そこで学んだ知識や宮古島の海の素晴らしさ、環境問題などについて楽しく伝えられよう努めています。 ガイドとは別にウミガメを主体とした水中写真家として活動中です。