みんなのちきゅう | 「一人でも多くの実践者を増やす」ことを目指し、全国の活動家とメディアを作り上げています。

生ごみを栄養に変える!コンポストの魅力に迫る①

磯野 アサ
| 2024/02/24
最近話題になっているコンポスト。現在はさまざまな形や種類のものがあり、誰でも簡単に始めることができます。今回は「バクテリアdeキエーロ」について。これを読めば今日からあなたもコンポスター!

毎日の料理から出てくる“生ごみ”。できるだけ減らす努力はしても、野菜・果物の皮など、食べられないところは捨てるため、ゼロにするのは難しいです。

そんなときの救世主がコンポスト!今回は「バクテリアdeキエーロ」について、開発者へのインタビューを通してご紹介します。

 

生ごみはなぜ問題なの?

京都市の調査では、家庭から出る「燃やすごみ」のうち約4割は生ごみだそうです。その生ごみには、野菜や果物の皮・芯などの調理くず、食べ残しや手をつけていない食品などの食品ロスが含まれています。

食品ロスの約半分が手つかずの食品となっているらしく、そのうち消費・賞味期限表示のあるものを細かくみると、賞味・消費期限前のものが23%と高い割合で排出されているといいます。

 

(引用: 京都市の生ごみデータより)

 

生ごみの約80%以上は水分であるため、生ごみを燃やして処理するとなると焼却効率が悪いです。それはたくさんのエネルギーが必要となり、多くのコストがかかるため。さらに温室効果ガスも排出してしまうため、環境にも負荷がかかります。

インタビューをした松本さんによれば、ごみ類は高性能の焼却炉で、かつ高温でダイオキシンを出さずに燃やすという手段が使われていますが、それには24時間ずっと燃やし続けるために燃料としてのごみが必要であり、それが減ると困ってしまうという悪循環にあるといいます。

焼却の熱エネルギーで「発電しています。」と謳っているところもありますが、実際はそれが目的なわけではなく、言い訳のようなものです。そのため、生ごみを減らしていく必要があるのです。

 

そこで、環境や経済に負荷をかけず生ごみを処理できる「コンポスト」があります!

これから3つのタイプをご紹介します。本記事では1つ目について。

 

コンポスト「バクテリアdeキエーロ」

「バクテリアdeキエーロ(以下:キエーロ)」は、私が住んでいる逗子市を中心とした湘南地域で推奨されている家庭型コンポストです。

見た目は土の入った大きな箱。箱の中の土に生ごみを入れて撹拌(かくはん)することで、土や生ごみにいるバクテリアにごみを食べてもらい。生ごみを処理するというものです。

私の家でも10年以上使っているキエーロ。高校1年生の2019年に、開発者の松本さんにインタビューをしました。その内容に少し触れ、詳しい使い方について見ていきます。

 

(我が家のキエーロ)

 

開発者の松本さんにインタビュー

——キエーロ開発のきっかけはなんですか?

元々生ごみの処理に対して興味があり、様々なやり方を試したがどれも失敗に終わりました。

ある日、子どもが使わなくなった庭の砂場がけやきの木の葉の堆肥の積みあげ場所になっており、そこに生ごみを捨ててみたところ、ニオイがなく消えたんです!そこで、この方法がいいと思い改良してキエーロの開発に至りました。

 

——キエーロのメリットは何ですか?

1番はやはりランニングコストがゼロ、お金がかからないこと。誰も儲かることはないが、生ごみを燃やす時の費用がかからないので、儲かるのは市や町ともいえる。焼却する際にはかなりお金がかかるため、生ごみがなくなってくれると市も助かり、また私たちもゴミを出さずに済むし、得をすることかな。

 

(2019年、松本さんへのインタビュー時の写真)

 

——キエーロの普及率はどれくらいですか?

葉山町では10軒に1台以上、鎌倉では約3,000台、逗子では約25,000世帯のなかで2,000台を超えました(2019年時点)。

逗子市では、価格の75%を市が補助してくれるので25%の値段で買うことができます(現在逗子市では、2023年4月1日以後に購入したものは、購入費の80%の補助が出るそうです。)。鎌倉では90%の補助が受けられるらしく、それも普及につながっていると思う。今では九州、東北、関西でも販売されており、(松本さんは)全国から呼ばれています。 昔と比べると環境問題を考える人が増えてきたが、「私には関係ない。」「私1人がやったってどうせ変わらない。」という人もまだいることも課題の1つ。

 

キエーロの使いかた

我が家でのキエーロの使い方はこちらです!

 

 

①生ごみを入れものに溜める。(私の家ではブリキ缶に入れています。)

②キエーロの土を深く掘る。全体を縦に3分割した1つ分ほどのスペースがおすすめです。

③生ごみを入れる。

④バクテリアが食べやすいよう、よくかき混ぜて酸素を与える。

⑤バクテリアが生きていく上で必要な水を与える。目安は土がドロドロになるくらい。

⑥水が行き渡るようによくかき混ぜ、土をかぶせる。

終わり!すぐできる!!

 

生ごみの臭いが気になる方も多いと思います。生ごみを入れ物に溜めた状態だとどうしても臭いは発生してしまいますが、土に入れた後は臭いません!

溜めている最中でも臭いを減らすためには、袋に毎日、生ごみの3%の塩と混ぜたものを入れて密封し、冷蔵庫に入れて溜めていくのがいいらしいです!

 

庭やベランダがなくても大丈夫!

今回ご紹介した「バクテリアdeキエーロ」は、土の上に置くタイプとベランダに置くタイプ、さらに狭いベランダにも置けるスリムタイプの3種類あります。私の家で使っているのはベランダに置くタイプです!

しかし、家に庭やベランダがなかったり、置く場所がなかったりする人もいると思います。そこで、家の中やキッチンに置くことができるもっと小型のコンポストを、次回の記事でご紹介したいと思います!ぜひ合わせて読んでくださると嬉しいです。

 

おまけ:コンポストをしていると、生ごみの中に入っていた野菜の種から植物が育つことがあります…!昨年も生えてきたので何かと思い植木鉢に移して育てたところ、ピーマンとナスが育ちました!食べられるほどにも成長するなんて驚きです。みなさんもそんなワクワク体験ができるかもしれません♪

SHARE

この記事をシェアする

生ごみを栄養に変える!コンポストの魅力に迫る①

| 2024/02/24
磯野 アサ
SHARE
磯野 アサ

ASHA ISONO

磯野 アサ

神奈川県逗子市出身の20歳。中学生の時に児童労働問題やフェアトレードに関心を持ち、高校ではVeganについて研究した。環境団体の立ち上げ、サステナブルコスメに関するインターン・アルバイトをしたり、ミュージカルやアカペラのサークルに所属し音楽活動を行ったりしている。「楽しく」世界の問題の解決を目指せるアイディアを日々模索している。

「一人でも多くの実践者を増やす」ことを目指し、全国の活動家とメディアを作り上げています。

ソーシャルグッドはかっこいい!
を合言葉に集った全国の環境活動家が
さまざまな情報を発信していきます。

ENVIRONMENTAL ACTIVIST ENVIRONMENTAL ACTIVIST

IMAI YOSHINOBU

今井 啓敦

株式会社ワンダフルライフ代表

TANAKA HIDENORI

田中 秀典

縄文企画代表

SAGARA NAO

相良菜央

アイサーチ・ジャパン代表

ASHA ISONO

磯野 アサ

KAITO SASHIKATA

指方 海斗

ビーチクリーン事務局 代表

KATRIN MIYAZAWA

宮澤カトリン

NPO法人HAPPY PLANET代表

SHU KUDO

工藤柊

株式会社ブイクックCEO

MIKA KANEDA

兼田 美佳

ONLINE SALON

みんなのちきゅうオンラインサロン

ソーシャルグッドはかっこいい! を合言葉に集った全国の環境活動家が さまざまな情報を発信していきます。

COMMING SOON!