あなたはいくつ知ってる?SDGsの全項目とその目的
SDGsってそもそもなに?
SDGs(Sustainable Development Goalsの略。持続可能な開発目標)。それは私たちの生きる地球上のあらゆる生命が、より良く、より公正で、そして持続可能な未来を共有できるように設計された国際的な指針で17項目あります。
2015年に国連が採択したこれらの目標は、まるで地球の「やるべきことリスト」と言えるかもしれません。全部で17項目あり、2030年までにすべての項目に対して世界的に達成を目指しています。
(引用:国際連合広報センター)
しかし、何故このような目標が必要とされるようになったのでしょう?それは私たちが住む日本のような先進国の経済成長の裏で環境破壊が進み、社会的な不平等が広がっている現状に対処し、より良い未来をつくるため。
今回はSDGsの17項目を大まかに説明していきますね。
SDGsの17項目とは?
SDGsの達成項目は主に17項目。「人・環境・経済成長」の3つのカテゴリーから成り立っています。
さっそくズラーっと並べて説明していきますね!
(引用:国際連合広報センター)
1.貧困をなくそう
世界中では約7億人が極端な貧困状態にあると言われており、第1項目の「貧困をなくそう」は経済的な貧困をなくし、すべての人が最低限の生活を送れるようにすること。イメージしやすいように言うと、誰もが安心して眠れる夜と健康な食事を楽しめる世界です。
2.飢餓をゼロに
世界中の食料問題に立ち向かい、栄養不足や飢餓をなくす。簡単に言うと、地球上のどこに住んでいる人でも、美味しいご飯をお腹いっぱい食べることができ、健康な生活を送るようにすることが目標になっています。
インフラが整っていない発展途上国では衛生上問題があったとしても、生きるために食べないといけないわけで、その結果、病気になりながら食事を摂っている人や子供もまだまだたくさんいます。
3.健康と福祉で豊かな生活を
すべての人々が健康で豊かな生活を送れるようにする目標。病気に対抗できるインフラ設備を整えるため、予防接種の普及や、清潔な水へのアクセス向上、公衆衛生の改善がこれに貢献します。
例えば、モバイルアプリを通じた健康管理や遠隔地への医療サービス、先進国や発展途上国という国境を超えて、全人類に健全な医療や福祉環境を整えることが目標となっています。
4.質の高い教育をみんなに
全世界のすべての子どもたちが学校に行けるようにし、教育の質を高め、生涯学習の機会を提供することが目標です。例えばオンラインプラットフォームでの学習提供や、STEM(科学、技術、工学、数学)教育の推進が具体例です。
また、今はインターネットが普及し、遠く離れていても相手の顔を見て会話をすることができる時代。発展途上国にも通信インフラさえあればもっと低コストで質の高い教育が広がっていくのではないでしょうか。
5.ジェンダー平等を実現しよう
男性も女性も平等にチャンスが与えられ、尊重される社会を目指します。個人それぞれに思いやりと尊敬が根底にある世界です。
例えば女性の政治参加の促進や、ジェンダーに基づく暴力の撲滅、企業における女性リーダーの増加や、性教育の普及がこの目標を支えます。
私の身近な人たちの話で言えば、恋愛対象が異性ではない人たちも多く存在していることもあり、そういった人たちのおかげでフラットな考えが根付いています。
6.安全な水とトイレを世界中に
清潔な水と衛生的なトイレは健康の基本。水道水を飲んで、安心して水が飲め、トイレを使えることは私たちの住む日本ではもはや当たり前の状態ですが、一歩海外に足を運ぶと、水はペットボトルで販売しているものしか飲めない、トイレは水洗式ではない、「水」という、生きるために最低限必要な資源とインフラが整っていない国もまだまだたくさんあります。
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
現在の先進国は、石油や天然ガスの存在なくしてその発展は語れないのではないかと思います。
しかしその裏では地球温暖化がすすみ、発展途上国を襲う台風やハリケーンなどの気候変動が生まれています。
そこで注目されているのが「再生可能エネルギー」。いわゆる太陽光や水力、バイオマスなどの自然エネルギーを使用することで、温室効果ガスの発生を抑制し、かつ発展途上国でも得られやすいエネルギー資源を増やすことが目的となっています。
8.良い仕事と経済成長
世界中の人に公平な労働機会を提供し、持続可能な経済成長を実現します。これには技能開発の機会の提供や、良質な雇用の創出が含まれます。
先進国の企業の中には安く大量にものを作るために、発展途上国で安く、そして劣悪な環境で製品を作っている企業もいまだにあります。
例として「ラナ・プラザの悲劇」。これは安く大量の衣類を生産するため、耐震基準以上の人材や機材をビルに詰め込んだため、そのビルが崩壊。数千人規模での死傷者が生まれた事件があります。
このような状況を改善するためにも、もっと世界規模で公正な取引や、働く人たちの環境や経済問題にまで目を向ける必要があります。
また、消費するにおいても、その製品がどのようにして作られているのか、というバックグラウンドにまで目を向け流必要があるのではないかと思います。
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
持続可能な産業の発展とインフラの整備を通じて、イノベーションを促します。もっと便利で、もっと楽しい未来が待っています。
何より数十年前よりも低コストでインフラを整えられる時代であるからこそ、早急に進められるといいですね。
10.人や国の不平等をなくそう
すべての人が平等に扱われる社会を目指します。人種、性別、経済状況に関わらず、公正なチャンスがある世界です。
今なおさまざまな差別が溢れる世界ですが、これには各国の教育も大きく関わっているのではないでしょうか。
11.住み続けられるまちづくりを
安全で、持続可能で、みんなが暮らしやすい都市を目指します。公園でのんびり過ごしたり、便利な公共交通を使ったりする快適な生活です。
貧困と犯罪はある意味では比例していると言われており、豊かな生活と豊かな教育がこの11項目目を達成するために必要なのではないかと思います。
12.つくる責任、つかう責任
持続可能な消費と生産を促し、資源を大切にします。無駄をなくして、もっと長く大切に使える物を選びましょう。
このみんなのちきゅうでも紹介しているようなエシカルな選択をすることで、できる限り環境に負荷のない、かつ生産における平等性を担保した製品を選ぶことで、ひいては国を超えての貢献につながるのではないかと思います。
13.気候変動に具体的な対策を
地球温暖化の進行を食い止め、気候変動への対策を講じます。
地球温暖化によって海外ではさまざまな気候被害を受けています。フィリピンを襲った大きな台風や、集中豪雨、干ばつや生態系の変化など、温暖化によって起きているさまざまな問題に対して対策をする必要はもはや世界レベルでの話となっているのです。
14.海の豊かさを守ろう
海は地球の生命線。海洋生物の保護と、海の汚染を防ぐことで、美しい海を未来に残しましょう。
これは単純に海をきれいにする、ということではなく、例えば海洋プラスチック問題や生活排水などにも目を向けて、適切なゴミの処理やリサイクル、そして環境に優しい洗剤などを使用したりすることで海の美しさと海洋生物の生態系を守ることが重要なのではないかと思います。
15.陸の豊かさも守ろう
森林、砂漠、山岳地帯など、陸上の生態系と生物多様性を保護します。
昨今ではグランピングやキャンプなどが流行っていますが、自然を感じるアクティビティにも関わらずゴミをそのままにしたり、過度な伐採を行うことで生態系に影響を与えたり、自然を汚すことにもなっています。
自然を感じられる素晴らしい体験をこれからも維持するために、遊び場を作ってくれている自然に目を向けながら私たちも楽しむ必要があると言うことですね。
16.平和と公正をすべての人に
暴力を減らし、すべての人に公正な法の支配を実現します。安心して生活できる社会、それが目標です。
これは社会全体で取り組むことが必要であり、かつその国、地域の教育なども大きく関わっている項目。貧困と暴力は密接な関係があり、ほかのSDGs項目がすすむことで解決していくのではないかと思います。
17.パートナーシップで目標を達成しよう
国や組織、個人が協力し合い、これらの目標を達成します。みんなで力を合わせることが、持続可能な未来への鍵です。
先進国、開発途上国、人種や政治、宗教の違いなどありますが、もっと大局を見ることができなければ、この地球に住む私たちの持続的な生活環境を守ることができないところまで来ている、ということですね。
共感したものに1人ひとりが少しずつ行動すればいい
駆け足でSDGsについて各項目を説明してきました。「17項目全部なんて、自分の力ではどうすることもできないよ!」という声も聞こえてきそうです。
しかし、すべてを網羅する必要はありません。この中で1人ひとりが「できること」「共感できること」に少しでも取り組むことができれば、それは大きな一歩になると思います。
ミクロの動きがやがてマクロを動かします。それは逆を言えば、ミクロなくしてマクロなしということ。
私も環境問題初心者として、ほんのわずかなことでも誇りを持って行動していけたらなと思います。
KENNY
Kenny
Webライター
名古屋市在住。 グルメメディアのライター/エディターとして活動するかたわら、環境問題にも取り組むITプロダクト会社に勤務。 持続可能なデジタル社会に興味を持ち、Web3分野を勉強中。